感動する話 家族

しょっぱい玉子焼き

些細な事ですが…

10年程前、母が何かの病気(今だに知らないのはちょっとおかしいですよね)で手術して入院しました。

私の通っていた中学校の昼食は、給食ではなく弁当持参の学校でした。
毎朝作ってくれていた母が入院したので、その1ヵ月弱の期間、代わりに父が毎朝早くから起きて作ってくれました。

私の兄弟は3姉弟でした。
皆年が近かったので、3人分を作らなくてはいけませんでした。

父は「友達に見られても恥ずかしくない弁当を作るから安心しろ!p(^-^)q」と、テレビの料理番組や本を見ながら研究したり、友人に聞いたりしていたようです。

父は毎日の弁当に、必ずしょっぱい卵焼きを入れてくれていました。

季節は夏だったので、父なりに調べたのであろう
「塩を少し効かせると腐りにくいんや♪(゚∀゚)v」

と、どこから仕入れた知識なのやら、その卵焼きは塩味の効いた不器用な卵焼きでした。

アレから十数年…
母が残業で遅くなったりして夕食の支度がまだの時は、父が例の卵焼きをよく作ってくれます。
その卵焼きは、まだ少ししょっぱくする癖が残っており、食べる度に「あぁ…、オレの親父の味だな」と、ホロリとしてしまいます。

父と呑む晩酌の、愛情の効いた最高の肴です。

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