泣ける話 家族

主人の左目

主人は3年前に左目を失明した
義眼を入れているので、見た目は言われなければわからない

その失明した原因は当時1歳7ヶ月だった息子とじゃれあって遊んでいた時
おもちゃの先端が主人の左目に運悪く刺さってしまったからだ

事故当時、主人より息子の方が泣き叫んでいたように感じる
子供心にただ事ではないことを感じていたんだろう傷の具合が良くなくなってから主人は、自分の運転中に
何かあってはならない、と思い車の運転をやめた趣味だったバイクも売った

ただ、いつの日か後ろに乗せて一緒に出かけるために、
息子の1歳の誕生日に買った新品の子供用ヘルメットはまだ家にある

4歳を過ぎた息子は今、父親の左目が見えないことも、なぜそうなったかも、まだ知らないはずだ
言ってはならないと主人にきつく言われているし、私自身わざわざ教える必要もないと思っているからだひょっとしたらもう父親の異変に気づいてるのかも知れない

主人は今日も息子と一緒に公園に出かけ、大はしゃぎしながら帰ってきた
いずれ父の左目が見えないことも、その理由も知る時が必ずやってくるだろう

だけど私には泣きじゃくる息子の頭を笑顔で撫でている主人しか想像できない主人が、父親が、彼で本当によかったと感謝の気持ちでいっぱいです

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