泣ける話 家族

ドラゴンバスター

小1の頃、ばあちゃんに旅行の土産にと「ドラクエ2」を頼んだ。
でも買ってきたのは黄金に輝くソフト「ドラゴンバスター」。当時60歳くらいだった。
ばあちゃんにはそんな違いわかるはずも無いのに俺はばあちゃんが憎くて、
「ばあちゃんなんか嫌いだ!!」
といってその日は一言もばあちゃんと話さなかったっけ。
物心ついたときから毎日いっしょに寝てたばあちゃん。でもその日だけは両親と一緒に寝たんだ。
ばあちゃんその日は寂しかったろうな。

んで、次の日学校から帰ってしょうがなく「ドラゴンバスター」をやってみた。
そしたらこれが以外に面白い。夢中になって遊んでいるとばあちゃんが突然部屋に入ってきて、
「ごめんなぁ。○○○。ばあちゃん馬鹿だがらわがんねくてよぅ・・・(山形弁)」
俺はゲームに夢中で「もういいから!入ってくんな!!」って言ってしまった。
そう言われた時のばあちゃんほんとに悲しそうな顔してた。

でも、「ドラゴンバスター」が面白かったから怒りなんてとっくに忘れて
その日はいつもどおりばあちゃんの部屋に行った。
布団に入るとばあちゃんがぎゅっと抱きしめてくれた。
俺はその日ばあちゃんに抱きしめられながらばあちゃんの腕枕で眠った。

ばあちゃんが死んでもうすぐ5年。ばあちゃん、あの時は本当にごめんね。
急病で亡くなったばあちゃんに俺は何もしてあげられなかったけど、
一人暮らししている今でもあの「ドラゴンバスター」は大事に持ってるよ。

ばあちゃん、いろんな思い出をありがとう。

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